医療に関する問題

いわゆる医療過誤・医療事故とは何なのでしょうか

「医療事故」とは、医療に関わる場所で医療の全過程において発生する全ての人身事故のことをいい (厚生労働省リスクマネージメントスタンダードマニュアル作成委員会の「リスクマネージメントマニュアル作成指針」による)、 医療従事者(医師・看護師等)の過誤・過失(不注意)の有無は関係ありません。

この医療事故のうち、医療の遂行において、医療従事者が、医療的準則に違反して患者に被害を発生させた事故を「医療過誤」といいます。

このように、医療従事者に準則違反があった、すなわち、被害を発生させたことについて、故意、 又は、過失があったといえて初めて病院や医療従事者の責任を問うことが可能になります。

医療過誤が疑われる場合に、患者本人、その家族がするべきことはありますか

医療過誤が疑われ、病院側の責任を問いたい、あるいは、診療の経過について明確な説明をしてほしい、 というような場合には、診療経過を明確にしておくべきです。

診療経過は、カルテなどの病院側が所持している資料にも当然記載されていますが、 医師や看護師から受けた説明の細かな内容まではカルテに記載されていないこともあります。

カルテに記載されているかどうかに関係なく、時系列に沿って、どのような説明があり、 どのような検査や手術を受けたのか、どのような投薬を受けたのか、 患者の病状はどのように推移したのかといった点を整理してご自身でも記録しておくのが望ましいです。

特に、医師や看護師の説明については、 互いに「言った言わない」の問題になってしまうことを避けるために、紙に書きながら説明をしてもらうことや、 ICレコーダーなどで録音しておくということが有効です。

診療の経過について、疑問があるのですが、医師に詳しい説明を要求しても大丈夫でしょうか

医師には、患者の求めに応じて診療の経過などについて説明する義務があります。
これは患者側から見れば、説明を求める権利があるということですので、医師に対して詳しい説明を求めることは問題ありません。

もっとも、病院や医師の責任を追及してやろうという態度を前面に出して説明を求めると、医師の方でもそれを恐れて弁解的な説明に終始したり、 場合によってはカルテを改ざんしたり、記録を隠蔽する可能性があります。

また、現在もその病院で治療中であれば、病院側との関係を悪くするのは治療の上でも得策ではありません。
あくまで、患者の権利として詳しい説明を求める、という姿勢で臨むことが、医師の率直な説明を聞くためには重要です。

病院にカルテ等の記録の開示を要求してもよいのでしょうか

病院に対して、カルテ等の記録の開示を請求することは、患者の権利でもありますので、構いません。

多くの病院は、請求があればカルテ等の記録を開示してくれると思います(請求先は各病院の総合案内窓口などにお尋ねください。)。

ただし、病院側から見ると、カルテ等の開示を請求されれば、患者が責任追及を考えているのではないかと考えますから、 場合によっては、開示の請求を受けた段階で、病院側が責任追及を恐れてカルテを改ざんしたり、必要な記録を開示しなかったりする可能性もあります。
このような改ざんなどを防ぐためには、裁判所を通じて「証拠保全」という方法をとることが有効です。
証拠保全とは、大まかに説明しますと、病院側に事前に連絡することなく、裁判官や裁判所書記官とともに病院に赴き、 その場でカルテ等の記録をコピーしたり、電子カルテであればプリントアウトしたり、あるいは、写真をとるなどするものです。

病院側が証拠保全が行われることを知らされるのは、証拠保全を行う直前ですので、カルテ等を改ざんする時間がないため
(元から改ざんされていた場合は防ぎようがないですが、)、カルテの開示を請求するよりは、改ざんの危険が少ないです。 また、現場で、あるはずの資料がないなどの指摘をすることも出来るため、病院側が記録を隠蔽することも難しくなります。

もっとも、証拠保全には費用(費用に関しては後述します。)がかかりますし、弁護士に依頼せずに証拠保全を行うことは非常に困難ですので、 改ざんの危険がないと思われるような場合には、開示請求でもよいと思われます。

医師の説明に納得がいきません。弁護士に依頼するとどのような流れになるのでしょうか

弁護士により事件の進め方も様々ですが、ここでは当事務所に依頼された場合について説明します。

まずは、お手持ちの資料をお持ちいただいた上で、ご来所頂き、法律相談をすることとなります。 なお、カルテ等の記録については、あらかじめ開示請求をするのではなく、法律相談に来ていただいた段階で、費用面やカルテ等の改ざんの危険などを踏まえて、 証拠保全をするべきかどうかを検討した上で、開示請求をするか証拠保全をするかを決めるのが望ましいです。

一般的な民事事件では、法律相談の中で、勝訴の見込みなどはある程度明確になりますので、 そのまま依頼するかどうかを決めていただくことになりますが、医療過誤事件の場合には、医学の専門的知見が必要であり、 どうしても弁護士がその場で見込みを判断することは難しくなります。 そこで、依頼者の方が、病院や医師の責任を追及したいという場合には、全く見込みがないと判断できる場合を除き、まずは、「調査事件」として受任いたします。

これは、病院や医師の責任を追及するための過失や因果関係といった法律上の要件が認められる可能性を調査するものです。
具体的には、まず、証拠保全の手続、あるいは任意の開示請求によりカルテ等を入手します。
これと並行して担当弁護士が医療文献等を調査し、カルテ等の記録が揃った段階で協力医に一切の記録を見てもらった上で意見を聞き、責任追及の可能性を判断します。
また、医師の説明が不足している場合や、責任追及というよりも実際に何が起こったのかを知って納得したいという方の場合には、病院側に改めて説明を求めます。
病院によっては、依頼者の方と弁護士が同席の上で、医師から直接説明をする場合もありますが、文書のみの回答の場合もあります。 責任追及の可能性がある程度明確になった段階で、依頼者の方にそれを説明し、病院や医師に損害賠償請求を行うということになれば、その請求について正式に受任するということになります。

その後は、任意の交渉、調停等の話し合いの手続、訴訟といった方法の中から、病院側が争っているかどうかなどの観点等から適切な手段を選択して損害賠償の実現を図ります。

弁護士に依頼したときに費用はどのようになりますか

当事務所では、まず、法律相談料は1時間あたり1万円(税別)です。

次に、調査事件として受任する場合には、原則として、証拠保全を要する場合には20万円(税別)、証拠保全を要しない場合には10万円(税別)です。 その他、実費(交通費、謄写費、郵便費、通信費、協力医への謝礼、証拠保全の専門業者(写真撮影等)の費用等)がかかります。
実費の概算については、相談時にお尋ねください。

これらは、調査の結果、病院側の責任が認められる見込みがないという結論になった場合であっても、お返しすることはできないものです。

最終的に損害賠償請求をするということで受任する場合には、原則として、当事務所の標準的な民事事件の基準に従います。
もっとも、着手金からは既に頂いている調査事件の費用を差し引きます。
また、事案の難易等によっては、協議の上で、着手金・報酬の額を増減をすることがあります。

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