マンションに関する問題

管理組合の理事(長)になってしまった。マンションには、管理費等の滞納者がいるようだが、まずは何をすべきか?

①  管理規約を確認する
②  管理会社との契約内容や滞納者に対する処理手順を確認する
③  管理費等の滞納状況を確認する

  • ①まず、管理規約の規定によって、管理費等の滞納者に対応する際に請求できる金額や請求するための手続きが変わってきます。
    管理規約の変更手続きが必要となる場合もありますので必ずご確認ください。
    なお、当事務所では管理規約の内容確認のみも行っていますので、お気軽にご相談ください。
  • ②次に、管理会社が、管理人等の滞納者に対し、どこまで、どのような手順で対応してくれるのかを確認する必要があります。
    対応のスキルには管理会社によって大きく差があります。
    例えば、対応手順を明確に提示できない管理会社であれば、残念ながら管理会社の変更も視野に入れる必要があります。
    当事務所では管理会社の変更の手続きに関してもアドバイスさせて頂きます。

管理費等の滞納状況(滞納金額や期間)によって、選択すべき適切な対処方法が異なってきます。

管理費等の滞納者に対する対応で、大切なことは何ですか?

管理費等の滞納者に対する対応(滞納管理費や滞納修繕積立金の回収)で何よりも大切なことは、迅速な対応です。
通常、管理費や修繕積立金は、合計でも月額7000円~2万円程度であり、その額自体はさほど高額とはいえません。
それにも拘らず支払いが滞るということは、例えば滞納者の得ている収入が従前と比較して大きく減った等、生活状況に何かしらの変化が生じた可能性が高いです。
ですから、当然、滞納者は、滞納している管理費等を一括で支払うことはできず、管理組合としては、ほぼすべてのケースで分割払いによる対応を選択せざるを得ないのが現状です。

ところが、管理費等は、毎月新たに発生する分もありますから、この新たに発生する毎月の管理費等に加えて、ローンの支払い、 さらに滞納管理費の分割払いとなると、(毎月の管理費すら滞納していた)滞納者にとって、大きな負担となります。

そしてこの負担が大きいと、滞納者は、またすぐに滞納をはじめることになります。
このような負のスパイラルに陥らないためにも、迅速な対応が求められるのです。

管理規約はどのような点を確認すればよいか?

迅速な法的手続きが取りやすくなっているかの確認が必要です。
次の2点は最低確認する必要があります。

  • ①  弁護士に委任する決議を、総会ではなく、理事会でできること
  • ②  滞納管理費等を請求する際に、弁護士費用も請求できること
滞納管理費等は、何年前の分まで請求できますか?

様々な考え方がありますが、5年で消滅時効にかかるというのが裁判所の見解です(最判平成16年4月23日)。
つまり、(滞納者が時効の援用をすればですが、)5年分しか認められないことになります。

管理費等の滞納者に対する対応手順を具体的に教えてください(訪問、内容証明郵便、公正証書)。

まず、裁判外の対応方法(話し合いによる方法)のとして、管理組合(員)による訪問や内容証明郵便による催促があります。

いずれも費用負担が少なく、また、迅速に対応できる一方、効果が期待できないこともあります。
遅くとも「3ヶ月」分程度の滞納が認められた段階では行うとよいでしょう。

弁護士名義の内容証明郵便による催促
上記方法で効果が出なかった場合でも、弁護士名義で内容証明郵便を送付すると、滞納者が応答することがあります。
遅くとも「6ヶ月」程度の滞納が認められたら、一度弁護士に相談することをおすすめします。

なお、滞納者の言い分としてよく耳にするのは、「請求がなかったから支払わなかった。
遅延損害金を沢山取るためにわざと請求しなかったのではないか?」というものです。

当然、この言い分自体に何らの理由はないのですが、裁判になった場合、裁判所がこの事情を重視し、 「管理組合にも請求していなかったという落ち度があるのですから、滞納額を一部減額できませんか?」等と 持ちかけてくるケースがありますので、そのような事態を防ぐためにも、管理組合名義の内容証明郵便を送っていても、 滞納が6ヶ月程度認められた段階で、今度は、弁護士名義の内容証明郵便を送る対応をしておくことが必要です。

次に、以上のいずれかの方法で滞納者とコンタクトがとれた場合、滞納管理費の支払い計画を立て、合意する必要があります。
方法としては、「合意書」のような書面に分割払いの方法を記載し、滞納者に署名捺印してもらうという方法もありますが、 その書面には、滞納者が合意内容に違反した場合の強制力がありませんので(つまり強制執行ができない。)、 滞納額が一定金額以上(概ね20万円以上)の場合は、この合意書を、裁判所の「判決」と同じ効力を有する「公正証書」の形で作成することがよいでしょう。

「公正証書」は、公証役場という場所で、公証人が作成します。
公正証書があれば、裁判を起こさなくても、滞納者が約束を守らなかった場合、強制執行ができます。
なお、費用は、滞納額にもよりますが、数万円です。
弁護士は、滞納者との交渉から合意書(公正証書の形も含む)の作成まで対応可能です。

滞納者の氏名を掲示板などで公表してもよいか?

プライバシー侵害になる可能性がありますし、滞納者の家族への配慮もかけますので、避けた方がよいです。

氏名を公表せずに、マンション全体の滞納額がいくらなのかを告知する方法でも一定の効果はあります。
弁護士に相談の上で対応策を検討することをおすすめします。

滞納者に対する対応は、管理会社に任せておけばよいか?

残念ながら、管理会社の中には、滞納者に対する対応に迅速性が欠ける会社もあります。

滞納期間が6ヶ月以上に及んでいるにも関わらず、管理会社から具体的な回収計画の提示がない場合には、注意が必要です。
一般に、滞納額の合計が30万円以上に及ぶと、回収が困難となるケースが多いからです。

裁判所を利用する方法
ここまで述べた裁判外の対応で効果がなかった場合、裁判所を利用した回収を検討する必要があります。
支払督促、民事調停、少額訴訟等様々な方法がありますが、ここでは「民事訴訟」の方法による手続きの流れを説明します。

民事裁判
民事訴訟を提起すると、裁判所から滞納者に呼出状が送付され、滞納者は被告として裁判手続きに関与することになります。

滞納者が裁判所の呼び出しに応じない場合には、管理組合(原告)の言い分が全て認められる内容の「判決」がでます。
滞納者が呼出に応じた場合は、一般には(被告の態度にもよりますが)、和解に向けた話し合いがもたれます。

ここで和解が成立すれば「和解書」が作成されます。
一方で、和解が成立しなかった場合には、証拠調べ手続きに進み、その後判決が下されることになります。
なお、判決では、滞納管理費の金額が誤っているなどの特段の事情がなければ、原告の請求した額全額が認められるケースが殆どです。

強制執行
「和解書」や「判決」には強制力が認められるため、「強制執行」の申し立てができます (和解書の場合には被告が和解条件に違反した場合)。

強制執行は、その執行対象によって、主に、不動産執行、動産執行、債権執行(銀行預金、給与、転貸料)に分けられます。

不動産執行は、いわゆるオーバーローンのケースではできませんし、申し立ての段階で裁判所に予納金 (事案によって異なりますが100万円程度になるケースもあります。)を納めなければなりません。

動産執行は、生活必需品等には行えないことから、一般的にその実効性は低いです。
そこで、通常は、債権執行の可能性を探ることになります。
万が一の際に、債権執行(給与の差押えや預金の差押え)を実効性あるものにするためにも、 日頃から、入居者の勤め先や預金口座についての情報は管理しておくことをおすすめします。

裁判を行うとして、回収までにどれくらいの期間がかかりますか?

弁護士が管理組合から裁判手続きの依頼を受けてから、裁判所に提訴するまでの期間は、平均で1週間から2週間です。

管理規約や登記などの必要書類が全てそろっていれば、もっと短い期間で提訴することも可能です。
ただし、裁判を起こすには、管理組合の決定(「総会」によるか「理事会」によるかは管理組合によって異なります。)がないと依頼を受けることができませんので、注意が必要です。

裁判所に提訴すると、およそ4週間~6週間程度で初回の裁判期日となります。
ただし、被告が訴状を受け取らない場合や、行方がわからないケースではその事態に対応する手続きを別途行うので、 さらに1~2ヶ月程度の期間がかかることがあります。

裁判期日は通常1ヶ月に1回のペースで開かれ、通常のケースであれば、1、2回で終わりますので、 和解書または判決書を手にするまでの期間は、平均で、提訴してから3ヶ月程度です。

次に強制執行ですが、不動産執行は半年から1年、動産執行は3ヶ月から半年かかります。
債権執行は1ヶ月程度で結果が出ます。

滞納者が、マンションを売却してしまった場合はどうなりますか?

滞納管理費等は、滞納者(甲)とマンションの購入者(乙)のいずれにも請求できます(区分所有法8条、7条1項)。
なお、この購入者(乙)が、さらにマンションを売却してしまった場合は、甲、乙とさらに、乙からの購入者(丙)に請求できます。

ただし、駐車場代や水道代については、滞納者(甲)にしか請求できないとの考え方が一般的です(後者について東京地裁平成5年11月29日)。

滞納者のマンションが競売された場合はどうですか?

上記と同じく、滞納管理費等は、滞納者(甲)とマンションの購入者(乙)のいずれにも請求できます(区分所有法8条、7条1項)。
なお、この購入者(乙)が、さらにマンションを売却してしまった場合は、甲、乙とさらに、乙からの購入者(丙)に請求できます。

ただし、駐車場代や水道代については、滞納者(甲)にしか請求できないとの考え方が一般的です(後者について東京地裁平成5年11月29日)。

その他の法的手段にはどのようなものがありますか?

先取特権、動産先取特権、不動産先取特権、滞納者の専有部分に賃借人がいる場合の「物上代位」の行使、先取特権の物上代位、区分所有法59条に基づく強制競売等、様々な法的手段があります。
事案によって最善の選択を採らせていただきますので、是非ご相談下さい。

駐車場使用料が滞納されています。
駐車場の使用をやめさせることは可能ですか?

駐車場使用契約を解除の上、使用をやめさせることはできます。
契約書をご確認ください。

なお、きちんと解除せずに使用をやめさせると後々紛争になる危険性が高いのでご注意下さい。

騒音トラブル

マンションを購入して居住しています。
上の階の子供の飛び跳ねる音や隣の部屋のオーディオの音がうるさいのですが、損害賠償請求できますか?

ある程度までの生活音は、お互いに我慢する必要があります。
損害賠償請求が認められるケースか否かは、問題の音が、社会通念に照らした受忍限度を超えたものか否かがポイントとなります。

これを超えていれば、慰謝料請求できるケースもありますし(東京地裁平成19・10・3)、 あまりにもひどい場合は、専有部分の使用禁止や競売が認められたケースもあります(東京地裁平成17・9・13)。

ただし、同じマンションの住人に対していきなり裁判を起こすことは、穏当とは言えませんので、 まずは、管理組合を通じた話し合いの場を持たれることをおすすめします。
裁判外の話し合いで解決しない場合には、調停、訴訟の方法を選択するのがよいでしょう。

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※JR横浜駅「きた東口A」【東京方面】のエスカレーターを上り地上に出て頂き、そのまま線路沿いに直進し、
橋を渡り、右折して2棟目の建物です。

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